Earthink株式会社様
いつまでも健康でいてほしい大切な人へ薦めたくなる食品を日本全国から厳選し、国内や海外へ販売している「Earthink株式会社」。今回は代表取締役の﨑野哲史様、海外BtoC担当の山本優衣様にお話を伺いました。
関税の支払い方法変更でビジネスがすっきり
——企業プロフィールを教えてください。
﨑野様:弊社は2001年にネット通販企業として創業しました。当時はアジアの雑貨、特にバリの雑貨を輸入し国内向けに販売しておりました。その後、お客様のリピート性が高い商材を求め、エスニック食品を取り扱うようになったんですが、現在は日本国内製造の食品をメイン商材として取り扱っています。
2009年頃から海外へ向けてラーメンを輸出していたので、越境ECにも関心があったんです。2010年に英語と中国語を話せる外国人スタッフが入社したのをきっかけに海外向けにBtoCでの販売をスタートさせました。
——どのような商材をどんなプラットフォームで販売していますか?
2010年からの2年間でeBay、Taobao、Amazonへと出店していきましたね。海外におられる日本人へ向けて、サイト全体が日本語で表示される海外発送専門店もその頃に立ち上げました。英語に対応している自社サイトを含め、海外向けECサイトは5つあります。
一番初めに着手したeBayでは当時、主にアメリカへ向けて京都などの観光地で売られているお土産や、暖簾、模造刀なんかを売っていました。模造刀を買ったカナダ在住のお客様から「真剣を買いたい」と連絡をもらい、一緒に日本国内の鍛冶屋さんへ行ったこともあります。
今は雑貨や刀などの取り扱いはありませんが、オーストラリアやニュージーランドなどからも模造刀は人気がありましたね。輸入のエスニック食材の取り扱いもかなり減り、現在海外に向けて販売しているものは国産の食品です。有機の抹茶やラーメンは売上が伸びていますね。
——いま利用している物流サービスの利用期間、規模、主な仕向地を教えてください。
﨑野様:アメリカ、中国、マレーシア向けの国際宅配便のサービスを契約していて、特に中国向けの荷物をお願いしています。利用期間はコロナ禍前からなので3年程かと。
2011年にあった東日本大震災による原発事故により、海外では日本から送る食品への輸入規制が厳しくなりました。特に中国では厳しいルールが設けられたので、一時は出荷規模が縮小してしまいましたが、ここ最近では規制緩和の動きがあり出荷規模も戻りつつあります。
お客様の注文日からお届けまでの納期を短くするために在庫保管サービスの利用も検討したいですし、他社からアメリカ向け輸送費の値上げが発表されていますので、ECMSジャパン(以下、ECMS)でアメリカ向けもお願いできればと思っています。
——ECMSをご利用いただく前は、物流面でどのような課題がありましたか?
﨑野様:課題は『送料』と『関税』の2点でした。以前の発送手段はほとんどが日本郵便のEMSだったのですが、中国から商品を購入してくださるお客様から「もう少し送料が安くならんかな」と要望を受けて、良い発送方法を探していたんです。他の物流会社も試しましたが、今はECMSに落ち着いています。
当社が一番困っていたのが『関税』でした。
モノによっては、海外在住の日本人や外国人が個人で購入するだけでなく、日本の企業が現地駐在員として働く社員へ送ることが多々あるんです。特に法人様からのご注文の場合、関税は依頼主である法人様が全額負担すると言われることがあります。関税の明細を確認し、依頼主である法人様へ案内するようにしています。
EMSでは荷物の受取人が関税を払う仕組みしかありませんが、ECMSでは関税を立て替え払いして当社へ請求してくれるサービスがあるので、ビジネスがやりやすくなりました。
EMSで発送していた時は、たまたま関税が発生して「関税がかかるならいらない」と受け取り拒否をされることもありました。それならば、毎回ちゃんと通関申告をして関税をお支払いして、さらに、商品の売値に関税額を織り込むようにしたんです。そっちの方がビジネスがすっきりしますよね。
国境が薄れつつある時代の挑戦をサポート
——ECMSを利用して良かった点や導入効果を教えてください
﨑野様:以前利用していた別の物流会社では、サポート体制に不安がありました。レスポンスが遅かったんですよね。
山本様:そうですね。ECMSはカスタマーサポートの担当者へ問い合わせると、その日中に返事をくれます。だいたい2時間くらいで返信が返ってきているので有難いです。他社だと荷物が日本を出国してからは追跡画面に正しい情報が反映されなかったり、問い合わせても明確な回答が得られないこともありました。そのためお客様へどう対応をしたらいいのか分からなくなるんです。でもECMSの場合は、出国後の情報もしっかりとメールで教えてもらえて、それをそのまま弊社の中国にいるスタッフへ共有して、お客様へ回答することができるので、とても有難いと感じています。
——貴社の今後の展望をお聞かせください。
﨑野様:越境ECによる売り上げを、国内ECの伸び率の2~3倍ペースで伸ばしていきたいと思っています。ゆくゆくは国内と海外と同じくらいの比率にまで成長させたいです。
そのためには、食品というハードルが高い商品だけでなく、今後は『健康』という切り口にこだわりつつ心と体の健康に関与するようなアイテムを増やしていきたいと考えています。それが睡眠なのか美容なのか、いろいろあるとは思うんですけども。
あとは『環境』に関することにも取り組んでいきたいなと考えています。ゆくゆくのビジョンとしては、例えばヨーロッパでは『環境』やオーガニック分野の商品開発が進んでいるので、それを日本に限らず他国へ向けて販売することも視野に入れています。
あと5年、10年のスパンで考えると、政治の面では違うと思うんですが、経済面では国境という概念がだいぶ薄れてくる時代になると思うんですよね。良いパートナーさんと一緒に、良い商品を世界中に広めていくということができたらいいなと思っています。当然、日本国内の頑張っている中・小企業さんの良い商品も広めていきたいです。